ジュネーヴ 《奇跡の漁》
いきがかり上、ジュネーヴに立ち寄ることになりました。スイス西部でもバ ーゼルやベルンと比べて、ジュネーヴって文化的に「薄い」んですよね^^; この季節にジュネーヴにいる人たちはみんなバカンスで来ているわけで、小 難しいことは考えたくないって顔してるし、旧市街なんか歩いている人はい なくって、みんなレマン湖のほとりに集まっている。「この人たちいったい 何してるんだろう？」なんて考えるわたしがみみっちいのであって、ここで は何もしないでぼーっとしているのが美徳なのでしょう。
しかしまあ、せっかく来たからにはジュネーヴのなけなしの文化^^;を見て やるぞ、とカルヴァンが活動した教会やらジャン・ジャック・ルソーの生ま れた家なぞを見ましたが、まあ、それぐらいしかありません。わたしもバカ ンス気分につられて、ジャン・ジャック・ルソー島のベンチで昼寝なんかし たりして^^;（木漏れ日と風が確かに気持ちよい）。そうそう、印象的だっ たのは、定時に鳴る教会の鐘の音がとても美しかったこと。
ジュネーヴで見ようと思った絵に、コンラート・ヴィッツ(1400-10頃〜 44/66頃）の＜奇跡の漁(スナド)り＞(1444)というのがあります。なんでも 国際ゴシック様式を排し、リアルな風景を背景に取り入れた最初の作品と いうことで有名らしいです。この作品はジュネーヴの歴史美術博物館とい う、えらく立派な建物のなかにあります。入場無料。
この美術館もまたガラガラでして、観客よりも職員の方が多いんではない かというぐらいでした。あっちこっちうろうろしたあげく、ヒマそうにし ている職員に「あの、miracle fishing はどこでしょうか？」と訊ねたら （ひどい^^;）ちゃんと通じまして^^; 「ああ、Conrad Witzね」と連れて いってくれました。正しくは Der wunderbare Fichung らしく、英語だと Miraculous Draught of Fishes とか言うみたいです。まあ、通じたから いいや^^;
フラッシュ撮影は禁止なのですが、その部屋にいる職員の女性が親切にも 照明を明るくしてくれて、さあ写真撮りなさい、と言うので写真を撮って きました。みんな親切です。
さて、その＜奇跡の漁り＞、歴史的事実にそえばガリラヤ湖の情景が描か れているはずなんですが、背景はもろジュネーヴなんです。ジュネーヴに 行ってみてよくわかりました。「あ、あの山、電車から見えた山だ」とい うぐあい。 ということは、のちの使徒たちが網を打ち、イエスがそのほと りに立つこの湖は、レマン湖？^^;
レマン湖のほとりの情景
「釣れまっか？」「ぼちぼちでんな」
（コラコラ＞自分^^;）
（後記：ところで列車からも見え、ヴィッツの絵にも描かれてるこの山って、 もしかしてマッターホルンでしょうか？ どうも山に疎いものでよくわからな いんですσ(^^;)）
絵を見てから美術館の中庭でコーヒーとイチゴのタルトを食べましたが、 スズメがタルトのくずを食べにテーブルに乗ってきたりして、あまりに ものどかで気持ちいいので、ついぼーっとしてしまいました。やっぱり 夏のジュネーヴはぼーっとするのに向いているみたいです。
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